石原慎太郎氏は小説家や政治家として、私たちへ文化的な多大なる功績を残してくれた。
『太陽の季節』のセンセーショナルな思想は物議をかもしだし、批判の声もたくさん浴びた。
しかし当時の社会を切り裂くように走りだした。
また、バイク好きという一面があり『飛べ、狼』というバイク小説も
執筆している。
また、知事であった2007年には、噴火災害に遭った三宅島の復興を掲げ、バイクイベント「チャレンジ三宅島モーターサイクルフェスティバル」を発足させた。
これは、島内を一周(全長30km)をレースするというもの。
しかし、公道を使用してレースを行うという内容に対しHondaは異を唱え、当時の東京都知事石原慎太郎氏と論争になったことも。
とうとう日本のバイクメーカーに協賛を得られぬという忸怩たる思いを抱きながらも、ハーレーダビッドソン、BMW、トライアンフなど海外メーカー数社の協賛を得ることに成功し開催させる。
さらに、 走行距離6,200kmといわれる南米大陸をスクーターで横断したという逸話もあるほど、バイクとかかわりが深かった人物であるのだ。
上記の小説から一節を引用する。
「──そうなんだ。誰でも転ぶんだ。俺も転んだ。お前だって転んだ。そして俺はもう転ぶことをしない。しかし、お前は、或いはまた転ぶかも知れない。そうなんだ。ライダーって奴は、転ばなきゃどう変わりもしない。転ばなきゃ、どいつも、一生走りつづけてるだろうなあ」
石原慎太郎氏は病気で床に伏しても止まることなく最後まで小説を書き続けた。
何度転んでも這い上がり、駆け抜けて死するまでバイクに乗って逝ったのかもしれない。
慎んで、ご冥福をお祈り申し上げます。